風に曝されながらも 熱は冷めずに男は
大地に突っ立ったまま カラスが空を渡るのを見てる
身体は動かぬまま 眼に光、宿して
ただ一つだけを希う それだけで
ここまで渡って来た 霞か雲かと
また月が満ちた
振り返ればすぐ傍の幸福に気がつかずに
全てを捨てた顔して
時には顔を上げればすぐ前の現実に耐えられずに
何度も逃げ出してきた
幾度目かの雨に打たれて泥に塗れて
幾度目かの雨上がりに再び立ち上がるだろう
ただ一つだけを希うのなら
きっとまた暁のほうへ歩き出せるだろう
ただ一つだけを希うのなら
また月は満ちるだろう
遠くへ行くなら手を振るから
遠くへ僕も行くから
遠くへ行くから
再び立ち上がるだろう
ただ一つだけを希うのなら
きっとまた暁のほうへ歩き出せるだろう
ただ一つだけを希うのなら
また月は満ちるだろう