「もし、其の心に二つ顔が有るのなら、

目に見える方に正しさは無いから。」

「通り過ぎる仄かに香り立つ不埒も、

写鏡。笑う貴方は私。」

「加味している筈が、

忌み嫌う姿は絵に似ている。」

「あら、悪い子ね。」

「背いてしまった孤独。」

「色付いた此の世の見違える嘘と、

剰え、騙し重ねた優しい見目形。」

「見抜いていた。

其の仕草の裏に甘い秘事。」

「見下してきたんだろう?」

「つまり、私の罪です。」

「気付かないの?気付けないの?

似ているようで矛盾していて、

解らないと認めないの?

露呈した事実に似ている。」

「人知れず、仄かに香り立つ分別も、

合せ鏡。覗く貴方は私。」

「俯瞰している筈が、

醜い綺麗事は非に似ている。」

「ほら、悪い子ね。」

「気付いてしまった孤独。」

「色褪せた此の世の愛しい真実も、

飽く迄も不信感帯びた優しい見目形。」

「見抜いていた。

其の仕草の裏に甘い他人事。」

「余所見してきたんだろう?」

「つまり、私の所為です。」

と知った。