燃え尽きようと 夕暮れに

疾り過ぎようと 鸛(こうのとり)

南の空から 報せが届き

わたしは少し 泣いている

ひふみよいつむ 数えても

戻れぬ帰れぬ あの日には

叶わぬならば この世ごと

燃やしていって くれないか

あなたは綺麗で あなたは綺麗で

汚いこの世で呼吸できず

あなたは 煙草に巻いた、いのち

煙は朝の空 昇っていく

わたしは少し 泣いている

晴れた最期に 影伸びる

この世の幕を引いた朝

掴めぬ指に 手を伸ばす

次への舞台階段で

四弦構え目を瞑る、

SEが 鳴る

あなたは綺麗で あなたは綺麗で

汚いこの世でがなり続けて

あなたは 歌声のせた、いのち

水面(みなも)はきらきらと凪いでいる

あなたは綺麗で あなたは綺麗で

汚いこの世で呼吸できずに

あなたは 煙草に巻いた、いのち

煙は朝の空 昇っていく

わたしは少し 泣いている

わたしは少し 泣いている