早い朝のにおいが

部屋の中まで満たして

曇る窓の外から

薄く差し込む太陽

微かなひとと鳥の声に

小さくパンを齧った

誰も居ない場所や

懐かしい裏道や

思い出せないような

翳りの中にいる

ふと気づいて歩き出した

物語を止めて

ペンを仕舞った

私のゆめはオールトの果て

いつか宇宙を巡り帰る

さらさらと星屑零しながら行く

雲へ

箒星の尾に

さよならを

ゆめの果てへ帰る

そして私はここに残る

早い朝のにおいが

昼の温度に変わって

揺れる木漏れ日注ぐ

そろそろ支度をしよう