8ミリフィルムの一コマずつ

連なる睫毛と下げた視線

此方振り向き 覗き込んで

気づけば途切れて 虚しく

(映った)逆向きの空に

(沈んだ)閉ざされる影は

(流れた)言葉無く

わたしを夢に導く声 現(うつつ)へ返し

その先のことなど まるで知らないように

裸足で駆けるその足跡 うねり遠のき

写真に収めたら それだけで飽和した

微かに開いた口元から 溢れる空気と欠伸だけを

容易く受け入れ暇を潰す 静かに、静かに 涙が

永遠を思う 価値なぞ忘れて

思う 絶えず 想う

萌え出づる孤独がもつれて 出逢う旅路に

分たれた身体を抱きしめる 手を引いた

微笑みを迎えて 白日のもと

これから一生の序列と フレームの中に

いつまでも

或る時 或る場所 わたしたちは

何度も軌跡を拾い集めた