弾けた鼓動の音 焦がれて震えた掌

握ってもすり抜ける 塩花

波風はもう

背中 後押しをしているから

時明かり 星影も

きっとこの足で踏み抜ける

手を取り並ぶ 身を委ねて

必要なものだけでいい 息を吐き出して

置き去りの地上を眺め また歩き出す

やがて見つけては 「忘れないで」と

一言だけ 取り交わせたら