[00:01.77]「泣き虫で甘えん坊な少女、ロシェル。
[00:05.26]貧しくも母と子、慎ましく暮らしていた。
[00:08.76]当たり前だと思っていた幸せな境遇。
[00:11.83]それが突然消え去るなど、想像もしなかった」
[00:15.01]
[00:15.50]退屈な平和が奇跡であることを
[00:21.86]母に守られていたことを肌で感じた
[00:29.14]変わらないものなどありはしないのだと
[00:35.66]変わってから気付いたって もう変えられない
[00:42.62]
[00:43.55]遠い町まで一人きり 心が竦む
[00:50.30]それでも行かなければ……きっと後悔が待ってるから
[00:56.75]助けて 誰か聴いて
[00:59.90]孤独に揺らぐ声
[01:03.24]無数の視線 無意識の棘が貫く
[01:10.07]好奇の目に晒され 耳に届く嘲笑
[01:16.69]それでも両足(あし)を前へと動かし続けた
[01:22.94]
[01:24.11]新たに芽吹く 僅かな勇気は
[01:30.34]幼い心を燃やし続けて
[01:36.18]
[01:37.06]「一晩中駆け回り、どうにか薬を手に入れて、家へと続く道を辿る。
[01:43.78]心臓が張り裂けそうに苦しくなっても、
[01:46.52]歯を食いしばって涙をぬぐい、ロシェルは走り続けた」
[01:50.47]
[01:52.24]どんなに怖くても 決して諦めない
[01:57.77]守られていた温かさを憶えてるから
[02:05.05]その灯火だけは絶やしてはいけない
[02:11.41]何度も転び血が滲んでも立ち上がり、駆けた
[02:18.39]
[02:19.61]帰り着いた家は暗く 伽藍の夜陰
[02:26.46]彼女を迎えた絶望は 冷たい墓標の下
[02:32.72]どうして 返事をして
[02:36.00]虚空へ鎔(と)けた悲鳴(こえ)
[02:38.88]もう大丈夫 一人でも泣いたりしない
[02:46.33]次はわたしがママを助ける番なんだ
[02:52.69]もう大丈夫……だから、ねぇ……
[02:56.11]目を開けて抱きしめてほしい
[03:01.21]
[03:01.21]「もう甘えたりなんかしない。ワガママだって言わない。
[03:05.60]だから……だから、ずっと傍にいてよぅ……」
[03:11.96]
[03:32.09]
[03:33.42]戻って 打ち破って
[03:37.11]こんな現実なんて望んでいない 欲しくもない 求めてないよ
[03:47.49]無意識に壊れゆく小さな輝きは
[03:53.69]夢想 妄想 幻想の先の理想へ
[04:00.91]仮初でいい だれでもいいから
[04:07.47]幸せな夢を見せて お願い
[04:12.62]
[04:14.90]「ああ、可哀相に。よく頑張ったわね。
[04:18.37]これからは強くなることなど忘れて、か弱いままでいていいの。
[04:23.98]だって、幸せなあの日に戻れるのだから。
[04:28.06]さぁ、ついていらっしゃい」
[04:30.93]
[04:35.48]